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基本情報(知っておきたいこと)

このアプリのスコープ(台帳を作って印刷する)からは外れますが、もしもの備えとして 知っておくとよいことをまとめました。一般的な参考情報であり、専門家の助言に代わるものではありません。実際の手続き・制度は変わることがあるため、公的機関や専門家でご確認ください。

① なぜ台帳が必要か

台帳は「どこに何があるか」を示す暮らしの地図です。まずは自分自身のために役立ちます。引っ越しや入院、 固定費・サブスクの見直しなど、契約を一度に確認したい場面で「どこに何があるか」がすぐ分かります。

そしてもしもの時には家族のための地図になります。 これがないと、いざという時に家族は次のような苦労を抱えがちです。

  • 口座・保険・証券がどこにあるか分からず、金融機関を一つずつ問い合わせて回ることになる。
  • ネット銀行・ネット証券・暗号資産・サブスクは通帳も郵便物も届かないため、 存在自体に気づかれず放置・休眠化する。
  • 解約されないサブスクや会費の課金が延々と続く
  • 借入・連帯保証などの負債が分からず、知らないまま相続してしまう。
  • 相続放棄(原則3か月)・相続税申告(10か月)などの期限に、 財産調査が間に合わない。

元気なうちに地図を作っておけば、家族は「ここを見れば分かる」と把握でき、 手続きの負担と取りこぼしを大きく減らせます。

② エンディングノート・遺言との違い

似たものに「エンディングノート」「遺言」がありますが、役割が異なります。 目的に応じて使い分け・併用するのがおすすめです。

この台帳(資産の地図)

「どこに何があるか」を一覧化した実務的なメモ。法的効力はありませんが、 家族が資産を把握し手続きを進めるための出発点になります。秘匿情報は含めません。

エンディングノート

医療・介護の希望、葬儀の意向、家族へのメッセージなど想いや要望を自由に書き残すもの。 こちらも法的効力はありません。台帳が「事実」、エンディングノートが「気持ち」と整理すると分かりやすいです。

遺言(遺言書)

誰に何を遺すかを定める、法的効力を持つ文書。形式不備だと無効になるため、 公正証書遺言や自筆証書遺言の保管制度の利用が安心です。配分に希望がある場合は専門家へ相談を。

③ 認知症に備える(判断能力が低下する前に)

認知症などで判断能力が低下すると、本人名義の口座が事実上凍結され、家族でも資産を動かせなくなる ことがあります。元気なうちに次のような選択肢を検討しておくと安心です。

家族信託(民事信託)

財産の管理を信頼できる家族に託す契約。認知症後も託された家族が不動産の管理・処分や預金の管理を 続けられます。持ち家・収益不動産・事業資産がある場合に特に有効。司法書士・弁護士へ相談します。

任意後見

判断能力があるうちに、将来支援してくれる人(任意後見人)と公正証書で契約しておく制度。 判断能力が低下したら家庭裁判所が監督人を選任して効力が生じます。

銀行の代理人届け(代理人カード等)

金融機関に「代理人」をあらかじめ登録しておく仕組み。手続きや適用範囲は金融機関ごとに異なるため、 取引のある銀行で確認します。手軽ですが、できることの範囲は限定的です。

どれが適切かは資産構成・家族関係で変わります。司法書士・弁護士・銀行の窓口に相談してください。

④ 亡くなった後のサブスク・契約の解約

亡くなった後の解約は、家族が本人のアカウントにログインできず難しいことが多いのが実情です。台帳の「サービス名・課金経路・在りか」を手がかりに、現実的には次の順で進めます。

  • まず何に課金されているかを、カード明細・口座引落しを数か月分さかのぼって洗い出します(明細取込で楽に確認できます)。App Store(Apple)/ Google Play / カード直接 / 携帯キャリア決済 など、どこから引き落とされているかも把握します。
  • 本人が生前に正規の引き継ぎを設定していた場合(Apple の「故人アカウント管理連絡先」など。⑤参照)は、その権限でアカウントから解約・整理できます。パスワードを知っていても、本人になり代わってログインするのは利用規約に反する場合があり、推奨されません。正規の権限が確認できないときは、次の窓口対応に進みます。
  • 正規の権限がない・ログインできない場合(多くはこちら)は、各サービスのサポート窓口に 「契約者が亡くなった」と連絡し、所定の書類で解約・返金を申請します。死亡を証明する書類や続柄の確認を 求められることが多く、対応の可否や所要日数はサービスごとに異なります(Google なども遺族等からの申請を審査します)。
  • 連絡が取れない・止まらない場合の最終手段として、カード会社・銀行に死亡を届け出て、 カードの解約や引き落としの停止を相談します。引き落とし元を止めれば課金は止まりますが、口座は死亡の連絡で凍結され、他の必要な支払いにも影響します。 公共料金など継続が必要な支払いの付け替えを済ませてから行うのが安全です。

カードを止めても契約自体は残る場合があります。可能なら正式な解約手続きと並行して進めてください。

⑤ アカウントを生前に整理・引き継ぐ(各サービスの公式機能)

主要なサービスには、万一に備えて「引き継ぐ人」や「死後の扱い」を生前に指定できる公式の仕組みが用意されています。元気なうちに設定しておくと、家族がデータを取り出せず困ったり、放置されて課金が続いたりするのを防げます。

Apple(デジタル遺産プログラム)

「故人アカウント管理連絡先」を登録しておくと、亡くなった後に指定した人がアクセスキーと死亡証明書で iCloud の写真やデータにアクセスできます。設定 →〔自分の名前〕→ サインインとセキュリティ → 故人アカウント管理連絡先。

Google(アカウント無効化管理ツール)

一定期間(例: 3〜18か月)ログインがないと、あらかじめ指定した家族にデータを共有したり、 アカウントを自動で削除したりできます。Google アカウント → データとプライバシー → 「アカウント無効化管理ツール」。

Facebook・Instagram(Meta)

Facebook は「追悼アカウント管理人」を指定でき、死後は追悼アカウントとして管理してもらえます。 代わりに「死亡後にアカウントを削除」を選んでおくことも可能。Instagram も家族からの追悼アカウント化・削除を申請できます。

X(旧Twitter)・LINE など

管理人を指定する仕組みはなく、亡くなった後に家族が所定の手続きでアカウント削除を申請する形が中心です。連絡先や本人確認書類が必要になります。

仕様や設定場所は変わることがあります。各サービスのヘルプで「故人アカウント」「追悼」「無効化管理」などを確認してください。 台帳にどのサービスを使っているかを記しておくと、家族がこれらの手続きにたどり着けます。

⑥ 亡くなった後に用意することが多い書類

手続き先によって必要書類は異なりますが、一般的によく求められるものです。

  • 死亡診断書 / 死亡届(コピーを複数用意しておくと各種手続きで使い回せます)
  • 戸籍謄本(被相続人の出生から死亡までの連続したもの/相続人の戸籍)
  • 法定相続情報一覧図(法務局で取得。各機関への提出が一枚で済み便利)
  • 遺言書(ある場合。自筆証書は家庭裁判所の検認が必要なことがあります)
  • 相続人の本人確認書類・印鑑証明書、遺産分割協議書(必要に応じて)
  • 金融機関・保険会社の所定の請求書類(各社の窓口で案内されます)

相続放棄には期限(自分のために相続の開始を知った時から原則3か月)など重要な期日があります。 債務(ローン等)が多い可能性がある場合は早めに専門家へ相談してください。

ここに書かれているのは一般的な参考情報です。最新の制度・要件・期限は、公的機関(市区町村・法務局・年金事務所 等)や 司法書士・税理士・弁護士などの専門家で必ずご確認ください。免責事項は 説明書 を参照してください。